羅刹女らせつじょ)” の例文
羅刹女らせつじょとはさすがに思われざれば、或は牛魔王か何かと思い、そっと波多野君に尋ねて見れば、これは唯煽風機代りに役者をあおいでやる後見なるよし。
北京日記抄 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「庵室に居りましたよ、——間違っちゃいけません。私には羅刹女らせつじょ解脱げだつさせる法力はありません」
危ないものは遠くへやるに限る、道人を活き仏のままにして、心のままに信心するには羅刹女らせつじょのような女を側へやっちゃいけない——多分こう思い詰めて、お小夜を殺す気になったのだろう。