“縹緲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひょうびょう91.7%
ひようびよう8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
事が娑婆しゃば世界の実事であり、いま説いていることが儒教の道徳観にもとづくとせば、縹緲ひょうびょう幽遠な歌調でない方が却って調和するのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
訶和郎の死体は、眼下に潜んだ縹緲ひょうびょうとした森林の波頭の上で、数回の大円を描きながら、太陽の光にきらきらと輝きつつ沈黙した緑の中へ落下した。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
唯、縹緲ひようびようたる理想の白鷺は羽風おもむろ羽撃はばたきて、久方の天に飛び、影は落ちて、骨蓬かうほねの白く清らにも漂ふ水の面に映りぬ。これを捉へむとしてえせず、この世のものならざればなりと。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)