紙魚しぎよ)” の例文
六五ことわらせ給ふは、もはら金の徳をかろしめ、富貴の大業たいげふなる事をしらざるを罪とし給ふなるが、かの六六紙魚しぎよがいふ所もゆゑなきにあらず。
いや、事によつたらどこかの図書館としよかんにたつた一冊残つた儘、無残な紙魚しぎよゑさとなつて、文字もじさへ読めないやうに破れ果ててゐるかも知れない。しかし——
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)