築土ついぢ)” の例文
どうにもならない事を、どうにかする爲には、手段しゆだんを選んでゐるいとまはない。選んでゐれば、築土ついぢの下か、道ばたの土の上で、饑死うゑじにをするばかりである。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
五月雨に築土ついぢくづれし鳥羽殿とばどののいぬゐの池におもだかさきぬ
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
吾がかど築土ついぢはた白薔薇しろうばらおもてへは向かずこなたへと咲く
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
やれ築土ついぢに身を寄せて
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
六の宮へ行つて見ると、昔あつた四足よつあしの門も、檜皮葺ひはだぶきの寝殿やたいも、ことごとく今はなくなつてゐた。その中に唯残つてゐるのは、崩れ残りの築土ついぢだけだつた。
六の宮の姫君 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
吾がかど築土ついぢはた白薔薇しろうばらおもてへは向かずこなたへと咲く
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
家垣の築土ついぢのあやめ咲きにけりわらべな手折り通りすがりを
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
家垣の築土ついぢのあやめ咲きにけりわらべな手折り通りすがりを
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あやめ咲く築土ついぢに添へば鴨跖草つゆくさや隣もすずしふり亂る露
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
あやめ咲く築土ついぢに添へば鴨跖草つゆくさや隣もすずしふり乱る露
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)