空遠そらとお)” の例文
一首の意は、妻の居るあたりをもっと見たいのだが、自分の乗っている青馬の駈けるのが速いので、妻のいる筈の里も、いつか空遠そらとおく隔ってしまった、というのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
そして、つかれて、やまいただきやすんでいると、空遠そらとおく、がんの一群ひとむれが、羽音はおときざんで、うみほうをさしていくのがられたのでした。このとき、すずめは、自分じぶん故郷こきょうおもしたばかりでありません。
温泉へ出かけたすずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)