“稲荷町”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いなりちょう75.0%
いなりまち25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
住居というのは、やはり以前のどぶだなの近くと見えます。三味線堀しゃみせんぼりに沿ってあれから、稲荷町いなりちょうの方角へ足を向けて行くと
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれはあから顔の小ぶとりにふとった男で、左の眉のはずれに疱瘡ほうそうの痕が二つばかり大きく残っているのが眼についた。彼は下谷したや稲荷町いなりちょうに住んでいる富蔵と名乗った。
半七捕物帳:17 三河万歳 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あるひは楽屋稲荷町いなりまちの混雑、中二階ちゅうにかい女形部屋おんながたへやてい、また欞子窓れんじまど縄暖簾なわのれんげたる怪しき入口に五井屋ごいやしるして大振袖おおふりそで駒下駄こまげた色子いろこ過ぎ行くさまを描きしは蔭間茶屋かげまぢゃやなるべきか。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
いゝえわたくしはねえ旦那様富山稲荷町いなりまち加賀屋平六かがやへいろくと云う荒物御用で、江戸のお前さん下谷茅町したやかやちょうの富山様のお屋敷がございますから、出雲いずも様へ御機嫌伺いに参りまして、下谷に宿を取って居る時に
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)