神輿しんよ)” の例文
一つものが間違えば、三井寺へも、攻めてゆくし、神輿しんよをふって、御所へも強訴ごうそに出かけるというような乱暴な学僧のあつまりである。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
気違い茄子なすと名づける果実のごときもこれを食えば、一時全く狂気のごとくになって、全家こぞって神輿しんよをかついで村中を駆けまわったなどという例もある。
脳髄の進化 (新字新仮名) / 丘浅次郎(著)
それは神輿しんよ渡御の間は、町中が一点の燈火ともしびも残さず消して真の暗闇にするために、その間において、町の女達はいうまでもなく、近郷から集って来ている女達が
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
六尺ぐらいのアラ神の像を、神輿しんよきのせた数百の男女が、洞窟の入り口にたむろしていた。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何かというと日吉ひえ神輿しんよとか春日かすが神木しんぼくをかつぎ出して要求を通そうとするのがうるさい、その点福原は山河をへだてて距離も離れているので、坊主神官たちの邪魔はあるまいという点にあった。
「先には、十禅師じゅうぜんじ神輿しんよをさえ、にじった、あの羅刹らせつどもが、祈願をしたとて、何のかいがあるものか」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(白山の僧が、神輿しんよをかついで、延暦寺えんりゃくじへ押しかけたそうな)
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)