祇園祭ぎをんまつり)” の例文
大坂へのぼり廿日餘り休足きうそくせしがすこしも早く江戸へ到り身の落付おちつきを定めんと同所を出立せし其折柄をりから祇園祭ぎをんまつりありと聞京都に立寄り見物して行んと彼地に到りあやまちて大切たる印籠いんろう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ておぢいさんはそのまゝ田舎にもどつて、次の年今度は祇園祭ぎをんまつりを見物に又京都へ出てまゐりました。おぢいさんはあひ変らずその拾つた冠をかぶり、後手うしろでをしてあつちこつちを見物してあるきました。
拾うた冠 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
なしけるうち亭主申けるは一昨年のなつ祇園祭ぎをんまつりの時にて候ひしが私し方へ年頃としごろ廿歳ばかりの男と十六七の女中の御武家方ごぶけがたと見ゆる人とまつり見物に登られ二夜泊りて歸られしが其日の晝頃ひるごろ立戻られて大切の印籠いんろう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)