“硝子扉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ガラスど40.9%
ケースメント31.8%
ガラスドア13.6%
がらすど9.1%
ガラスとびら4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで学生はまた四辺に注意しておいて、その横窓の硝子扉ガラスどを開けて猫のように這って外へ出たが、それは馴れた身のこなしであった。
死体を喫う学生 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「この部屋だけについていえば、あそこの硝子扉ケースメントなどは、もとの古ぼけた吉野障子より、たしかにプラスになっているはずですが」
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それで、伸子は本を掴んだまま後方を振り向いて、背後にある書棚の硝子扉ガラスドアを見たのです。その時彼女の眼に、寝室から出て来たある人物の姿が映ったのでした。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
主税はその盲目のと云うのを見た。それは、食堂からここへ入ると、突然いきなり客室の戸を開けようとして男の硝子扉がらすどに手をかけた時であった。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
東の河面に向くバルコニーの硝子扉ガラスとびらから、陽が差込んで、まだつけたままのシャンデリヤの灯影ほかげをサフラン色に透き返させ、その光線が染色液体のように部屋中一ぱいみなぎあふれている。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)