相剋あいこく)” の例文
妻を失った当時、岸本はもう二度と同じような結婚生活を繰返すまいと考えた。両性の相剋あいこくするような家庭は彼を懲りさせた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
最も安全に見える彼等の姿勢は、この波とこの汗の辛うじてもたらす努力の結果である。静かなのは相剋あいこくする血と骨の、わずかに平均を得た象徴である。これを互殺ごさつという。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)