而して到頭自己に帰りました。「盍反其本なんぞそのもとにかえらざる」で、畢竟ひっきょう其本に、自己に、わがうちいます神、やがてすべてに在す神——に帰ったのであります。帰れば其処が故郷でした。安住の地でした。私の母の歌に
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)