“白粉花”の読み方と例文
読み方割合
おしろいばな100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
白粉花おしろいばなばかりは咲き残っていたが鶏頭けいとうは障子にかくれて丁度見えなかった。熊本の近況から漱石師の噂になって昔話も出た。
根岸庵を訪う記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
白粉花おしろいばな夜中よなかに表をたゝくから、雨戸あまどを明けてふと見れば、墓場の上の狐火きつねびか、暗闇くらがりのなかにおまへの眼が光る。噫、おしろい、おしろい、よごれたよる白粉花おしろいばな
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
露草、鳳仙花ほうせんか酸漿ほおずき白粉花おしろいばな、除虫菊……密集した小さな茎の根元や、くらくらと光線を吸集してうなだれている葉裏に、彼の眼はいつもそそがれる。とすさまじい勢で時が逆流する。
苦しく美しき夏 (新字新仮名) / 原民喜(著)