“白墨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はくぼく60.0%
チヨオク15.0%
チョーク15.0%
チヨーク5.0%
チョオク2.5%
チャコ2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
警官はそれを聞きながら白墨はくぼくで腰掛のようなところへ何か書き止めていた。なかなか忙しそうである。私は少し気の毒になって来た。
雑記(Ⅰ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
白墨チヨオクの粉に汚れた木綿の紋付に、裾の擦切れた長目の袴を穿いて、クリ/\した三分刈の頭に帽子も冠らず——かれは帽子もつてゐなかつた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それは大きな三階建の石造の建物で、全体を白墨チョークのように真白に塗ってあるのは、中で職務をとっている連中の心の潔白を表わしたものでがなあろう。
此處は何學年の教室であつたか、正面の剥げちよろのボールドには、白墨チヨークで海石流に書かれた「忠君愛國品行方正」の八文字が淡く消えかゝつて、ラムプの火に映つてゐた。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
最後に、肩とかしらと一団になったと思うと——その隊長と思うのが、つつおもてを背けました時——いらつように、自棄やけのように、てんでんに、一斉いちどき白墨チョオクを投げました。雪が群って散るようです。
雪霊続記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
隣の部屋では、ふたりの婆さんが大あわてのていで、せかせかと型紙や白墨チャコのかけらを、ゆかから拾っている。……
嫁入り支度 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)