はん)” の例文
直ぐに其の音を打消す他の響が伝はる。これは不来方城はんの鐘楼から、幾百年来同じ鯨音おと陸奥みちのくそらに響かせて居る巨鐘の声である。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『ああワイの流れ! 林間の逍遙子よ、いかにしばしばわが心汝に振り向きたるよ!』その通りであった。わが心はこれらの圧力を加えらるるごとにしばしば藩匠川はんの風光をおもった。
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)