甲板かんばん)” の例文
くつの先で甲板かんばんをこつこつとたたいて、うつむいてそれをながめながら、帯の間に手をさし込んで、木村への伝言を古藤はひとりごとのように葉子にいった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
戸をあけて甲板かんばんに出ると、甲板のあなたはさっきのままの波また波の堆積たいせきだった。大煙筒から吐き出される煤煙ばいえんはまっ黒い天の川のように無月むげつの空を立ち割って水に近く斜めに流れていた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)