“玳瑁”の読み方と例文
読み方割合
たいまい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
玳瑁たいまいの地に金蒔絵きんまきえで丸にいの字の田之助たゆうの紋が打ってあるという豪勢な物、これが、その日暮しのお菊の髪に差さっていたのがこの際不審の種であった。
室子の家の商品の鼈甲は始め、玳瑁たいまいと呼ばれていた。徳川、天保の改革に幕府から厳しい奢侈しゃし禁止令が出て女の髪飾りにもいわゆる金銀玳瑁はご法度はっとであった。
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
諸行しょぎょう無常は浮世のならいそれがしの身の老朽おいくち行くは、さらさら口惜くちおしいとも存じませぬが、わが国は勿論もちろん唐天竺からてんじく和蘭陀オランダにおきましても、滅多めったに二つとは見られぬ珊瑚玳瑁たいまいぎやまんのたぐい
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)