“狸寝入”のいろいろな読み方と例文
旧字:狸寢入
読み方割合
たぬきねい55.6%
たぬきねいり44.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
海の表面の波は何やら騒いでいても、その底の海水は、革命どころか、みじろぎもせず、狸寝入たぬきねいりで寝そべっているんですもの。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
白雲はそれが当然狸寝入たぬきねいりだということを知り、同時にその入口から、脱ぎ捨てた草履ぞうりの狼藉ぶりを見て、前の室にすすり泣きしていた女の、寝乱れを思い合わせないわけにはゆかない。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
旦那様は、安楽椅子に寄懸って、もう居睡いねむりをしてござった。だがそれは狸寝入たぬきねいりらしく、ときどきまぶたがぴくぴくとふるえて、薄眼があく。
什器破壊業事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
お勝手に働いている近所の女達には後で水を持って来るように言ったが、水を持って行った女も、七平と手前は禿頭がよく似ているので狸寝入たぬきねいりを換え玉と気が付かなかったんだ