牡蠣的かきてき)” の例文
主人のようなしなびかけた人間を求めて、わざわざこんな話しをしに来るのからして合点がてんが行かぬが、あの牡蠣的かきてき主人がそんな談話を聞いて時々相槌あいづちを打つのはなお面白い。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
贅沢もこのくらい出来れば結構なものだが吾輩のように牡蠣的かきてき主人を持つ身の上ではとてもそんな気は出ない。何でもいい、食えさえすれば、という気になるのも境遇のしからしむるところであろう。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)