片肱かたひぢ)” の例文
『天下の奇蹟だね。』とくちばしを容れて、古洋服の楠野君は横になつた。横になつて、砂についた片肱かたひぢの、たなごゝろの上に頭を載せて、寄せくる浪の穗頭を、ズット斜に見渡すと、其起伏の樣が又一段と面白い。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)