爪立足つまだちあし)” の例文
がちがち震えながら、傍目わきめらず、坊主が立ったと思う処は爪立足つまだちあしをして、それから、お前、前の峰を引掻ひっかくように駆上かけあがって、……ましぐらにまた摺落ずりおちて、見霽みはらしへ出ると、どうだ。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ぬしになって隠れていそうな気がする処へ、蛇瓶の話を昨日きのう聞いて、まざまざと爪立足つまだちあしで、黒焼屋の前を通ってからというものは、うっかりすると、新造しんぞも年増も、何か下掻したがいつまあたりに
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)