“焦立”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いらだ93.7%
いらだゝ2.1%
あせ1.1%
いただ1.1%
いらだた1.1%
いらだち1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
子供はそんな言葉には頓着する様子もなく、人を焦立いらだたせるやうに出来た泣き声を張り上げて、夜着を踏みにじりながら泣き続けた。
An Incident (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
たゞ彼女の苦難——私の損失ではない——に對する、ゐても立つてもゐられぬやうな焦立いらだゝしい思ひと、そのやうな死態しにざまの恐しさを見る、暗い無情な恐慌ばかりであつた。
正一の気は、焦立あせって、こうしていることが出来なくなった。
過ぎた春の記憶 (新字新仮名) / 小川未明(著)
蝋燭のほのおがちらちら右左へ揺れるので、黒い柱やすすけた天井はもちろん、の勢の及ぶ限りは、穏かならぬ薄暗い光にどよめいて、自分の心をさびしく焦立いただたせた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
隱して置いた物を他人に勝手に見られた樣な感じが、信吾の心を焦立いらだたせてゐる。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
左右にふり否々いや/\此方へは參り申さず來らぬ者を匿藏かくまうべき筋もなしとさらに取合ねば掃部は焦立いらだちそれがし慥に見屆たることなれば斯は申なり夫にても參らぬとならば我等が念晴ねんばらしに此御寺を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)