無茶苦茶むちやくちや)” の例文
いまうらまはつてたら、この文庫ぶんこちてゐて、なか這入はいつてゐた手紙てがみなんぞが、無茶苦茶むちやくちやはふしてあつた。御負おまけ御馳走ごちそうまでいてつた
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
やれもらへと無茶苦茶むちやくちやすゝめたてる五月蠅うるささ、うなりとれ、れ、勝手かつてれとてれをうちむかへたは丁度てうど貴孃あなた御懷妊ごくわいにんだときゝました時分じぶんこと
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
では全然無茶苦茶むちやくちやかと云ふと、かならずしもまたさうではない。少くとも僕の架上かじやうの書籍は僕の好みを示してゐる。或はいろいろの時期にける好みの変遷を示してゐる。
蒐書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
はふ道理だうり無茶苦茶むちやくちや犬畜生いぬちくしやうのやうなこゝろであらう、此樣このやうないたづらの畜生ちくしやうをば、御存ごぞんじのこととててんにもにもいかのやうに可愛かあいがつてくだすつて
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はれるにつけてなん言譯いひわけ理由りゆうもなく、口惜くやしきかかなしきかはづかしきか無茶苦茶むちやくちやいてかほもあげぬを、おたみなほも何事なにごとをかいはんとするをりかどにとまるれいくるまおと
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うでもよろしい、なんとなりあそばしませ、わたしわたしかんがとほりなことして、わるければわるくなれ、萬一まんいちよければそれこそまうものといふやうな無茶苦茶むちやくちや道理だうりけて、今頃いまごろわたしなにつてましたか
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
無茶苦茶むちやくちやにいぢめたてわけではあるまいが、世間せけんもの敏腕家はたらきてなどゝはれるはきわめておそろしいわがまゝものそとではらぬかほつてまわせどつときの不平ふへいなどまで家内うちかへつてあたりちらされる
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)