無益だめ)” の例文
そこで、外國人ぐわいこくじん吾等われら立去たちさつたあとで、このしま上陸じやうりくして、此處こゝ自分じぶんが、第一だいいち發見はつけんしたしまだなんかと、くだひたつて無益だめもうすのだ。
「もうしましょう! 無益だめです、無益だめです、いくら言っても無益だめです。……アア疲労くたびれた! しかし最後に一ごんしますがね、僕は人間を二種に区別したい、いわく驚く人、曰く平気な人……」
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ああ少年の時に期望したことの中で、まア何を一ツしでかしたか,少壮のころにさえ何一ツ成し遂げなかッた者が、今老いの坂に杖突く身となッて、はたして何事が出来ようぞ,もはや無益だめだ。
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
角「おめえさんとぼけたって無益だめだよ、おかめ此処へ来て一寸ちょいとお目にかゝれ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
『もう無益だめだ/\、とても沈沒ちんぼつまぬかれない。』と船員せんゐん一同いちどうはすでに本船ほんせん運命うんめい見捨みすてたのである。
なにね、いくらつたつて無益だめでせうよ、こととか三味線さみせんとか私共わたくしどもこともない野蠻的やばんてき樂器がくきほかにしたこと日本人につぽんじんなどに、如何どうして西洋せいやう高尚かうしよううたうたはれませう。