「安政二年乙卯きのとう仲春、為岡本楼主人之嘱おかもとろうしゅじんのしょくのため、一勇斎国芳写」と銘を打ったひとの額面。それを巽の柱の下に群がった一かたまりが熱心にうちながめて
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)