炮烙ほうらく)” の例文
此の珍客にはフンシが必要だと気が付いて、昨夜慌てゝ炮烙ほうらくを買ひに行つたのはいゝが、砂がないのには困つてしまつて、五六丁先の普請場ふしんばから
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
わたくしにしても、あなたさまさえ、まごころを下さりませば、生きながらの焦熱地獄——炮烙ほうらく鼎湯かまうでの刑に逢いましょうとも、いっかな怖れはいたしませぬ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
作品を通して眺めた夫人は、キリスト教徒のためされた、踏絵や、火刑よりも苦しい炮烙ほうらくの刑にいる。けれどためす人は、それほど惨虐な心を抱いているのではない。
柳原燁子(白蓮) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
今この国の政治まつりごとを執っているいん紂王ちゅうおう妲己だっきという妖女にたぶらかされて、夜も昼も淫楽にふける。まだそればかりか、妲己のすすめに従って、炮烙ほうらくの刑という世におそろしい刑罰を作り出した。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
此の珍客にはフンシが必要だと気が付いて、昨夜慌てゝ炮烙ほうらくを買ひに行つたのはいゝが、砂がないのには困つてしまつて、五六丁先の普請場ふしんばから
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
この珍客にはフンシが必要だと気が付いて、昨夜あわてて炮烙ほうらくを買いに行ったのはいいが、砂がないのには困ってしまって、五六丁先の普請場ふしんばから
猫と庄造と二人のおんな (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)