浪花屋なにわや)” の例文
そこから湊橋みなとばしまで、辿り着くのに小半刻こはんときかかりましたが、結局、銭形栞を辿って、南新堀の廻船間屋浪花屋なにわやの前に立っていたのでした。
「銀水と浪花屋なにわやとどっちにしましょうか。」
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ガラッ八は鼻をうごめかします。いつぞや浜町の浪花屋なにわやの主人が、払いに困って、三千両を盗まれたと届出た例のあるのを思い出したのでしょう。
ガラッ八の八五郎が、浜町河岸で逢ったのは、廻船問屋浪花屋なにわやの奉公人、二三本くぎの足りない江戸っ子で、雑用にコキ使われている釜吉かまきちでした。