沼間ぬま)” の例文
窓の外で、剛子つよこ、と呼ぶ声がする。沼間ぬま夫人だ。沼間夫人は社交室に『キャラコさんの恋人』がいるので、嫌がってはいってこないのだ。
キャラコさん:01 社交室 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それでも当時の毎日新聞社にはマダ嚶鳴社おうめいしゃ以来の沼間ぬまの気風が残っていたから、当時の国士的記者気質かたぎから月給なぞは問題としないで天下の木鐸ぼくたくの天職をたのしんでいた。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
沼間ぬま夫人と森川夫人と従妹いとこ麻耶子まやこは、今夜の接待係りなので壁煖炉シュミネのところにいるボクさんや久世くぜ氏、ご母堂と話をしている苗木売りのお爺さん、丹沢山たんざわやまの、あの四人の科学者たちに
中橋というのは、叔母の沼間ぬま夫人の実家さとで、悦二郎氏はその家の三男である。
キャラコさん:06 ぬすびと (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
麻布竜土町の沼間ぬま家の広い客間に、その夜、大勢のひとが集まっていた。
叔母の沼間ぬま夫人がしつこくすすめるのでしょうことなしにやってきた。
キャラコさん:01 社交室 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)