鷹を放つ者は鶴を獲たりこうを獲たりして喜ぼうと思って郊外に出るのであるが、実は沼沢林藪しょうたくりんそうの間をおもむろに行くその一歩一歩が何ともいえず楽しく喜ばしくて、歩〻に喜びを味わっているのである。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)