川上の矢口の渡で新田義興にったよしおきの亡霊が、江戸遠江守えどとおとうみのかみ震死しんしせしめた、その大雷雨の時もかくやと思わしめた。
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)