永徳えいとく)” の例文
秀吉はいったい何処へ行っていたかというと、実は、城外玉造たまつくり町の、狩野永徳えいとくびたる住居を、訪れていたのである。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「兄上、ここを開けましたる次の部屋に置きます屏風は、狩野かのう法眼ほうげん永徳えいとくあたりが、出ず入らずのところと——。」
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
しかし、周囲の厚い金泥のふすま永徳えいとく風の絢爛けんらんな花鳥で息苦しさを感じるほどであった。
比叡 (新字新仮名) / 横光利一(著)
左様——あすこにはあれで、古法眼こほうげんもいれば、永徳えいとくもいるはず。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
というような迎え方が、画師永徳えいとくにも、弟子の山楽さんらくにも、召使の婆やの様子にも、ありあり見えた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)