正念ルーエ)” の例文
彼はこの世界にさし込んで來る光か、この世界の底を流れてゐる流れかを探り當てるに從つて漸くその正念ルーエを囘復して來る。さうして彼の藝術の世界の形成ゲシタルツングと結晶とが始つて來る。
三太郎の日記 第三 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)
それはつれて動いてゐるが故に、「ベトラハテン」てゐるが故に、換言すれば動きながら正念ルーエを失はぬが故に、喜ぶものを追うても悲しむものを追うても常に底の方に獨特の喜びを感じてゐる。
三太郎の日記 第三 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)
「觀る」者は正念ルーエを以つて顛倒し惑亂し、呼吸の逼迫を經驗しなければならない。
三太郎の日記 第三 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)