檀扇ひおうぎ)” の例文
(おしおはつぶやきつつ去る。雨の音さびしく、奥より玉虫は以前とかわりし白の着附、緋の袴、小袿こうちきにて、檀扇ひおうぎを持ちていず。遠寺の鐘の声きこゆ。玉虫は鐘の音を指折りかぞえて独り語。)
平家蟹 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)