梓弓あづさゆみ)” の例文
この巻の、「梓弓あづさゆみ引きてゆるさずあらませばかかる恋にはあはざらましを」(巻十一・二五〇五)は、女の歌で、やはり身を寄せたことを「許す」と云っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
此の度勝四郎が商物あきもの買ひてみやこにゆくといふをうたてきことに思ひ、ことばをつくしていさむれども、一四常の心のはやりたるにせんかたなく、一五梓弓あづさゆみすゑのたづきの心ぼそきにも、かひがひしく一六調こしらへて
渡瀬わたりぜに立てる 梓弓あづさゆみまゆみ
梓弓あづさゆみすゑはし知らず然れどもまさかは君にりにしものを」(巻十二・二九八五)、「しらがつく木綿ゆふは花物ことこそは何時いつのまさかも常忘らえね」(同・二九九六)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)