“桜樹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おうじゅ60.0%
さくら40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今年花また開くの好時節に際し都下のある新聞紙は濹上ぼくじょう桜樹おうじゅようや枯死こしするもの多きを説く。ああ新しき時代は遂に全く破壊の事業を完成し得たのである。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
人家のまわりの庭、花の咲いた桜樹おうじゅ、緑の芝地、美しい樹影こかげ、擬古式の廃墟はいきょ、大理石の円柱台の上、緑の間には、昔の女王らの白い胸像、そのやさしいかわいい顔つき。
一団の桜樹さくらが葉になって、根元の土に花びらがひらひらしているところもあった。百姓家でははねつるべの音がきしんで、子守こもりが二人を見送っていたりした。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
⦅そうら、また親爺め、女帝陛下のお供をした時の話をはじめをるぞ!⦆かう、呟やきながらレヴコーは足ばやに、例のたけの低い桜樹さくらにかこまれた、馴染の小家をめざして、心も漫ろに急いでゐた。