のとき柵山南条さくやまなんじょうという二等兵がどうした事か敵前というのに、目に余るほど遺憾いかん振舞ふるまいをしたために、皇軍こうぐんの一角が崩れようとするのでむを得ず、なみだをふるって其の柵山二等兵を斬殺ざんさつしたのです。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)