柳沢吉保やなぎさわよしやすとか、松平まつだいらなにがしとか、幕閣の諸役人が。……けれど、日本の役人、天下の臣たる人は、あなた様しかおりませんぞ。……
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
柳沢吉保やなぎさわよしやすに乞うて、又四郎、林助の身をもらい受けて来るまでは、必死の弁と生涯の智恵をしぼり尽したことであろう。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は藤井紋太夫ふじいもんだゆう柳沢吉保やなぎさわよしやすとの関係について、確証を得た。また、紋太夫が自藩の内部にたいして、何を策しているか、はっきり知ることができた。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つては、将軍の台覧にも供え、元禄年中の城主柳沢吉保やなぎさわよしやすも、垂涎すいせんかなかったといわれる——土佐光吉とさみつよしの歌仙図に近衛信尹このえのぶたださんのある——紙数にすればわずか十二、三枚の薄いじょうだった。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)