常木鴻山つねきこうざん松平左京之介まつだいらさきょうのすけのほかは、誰も知らぬまに、代々木荘を出立したかれである。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「別に深い意味でございませぬ。あなた様のお体を預かっている松平左京之介まつだいらさきょうのすけ様が、京都の所司代にお更役かえやくになったので、それにつれて私たちまで、江戸のお下邸しもからこちらへ移ってまいりました」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)