“朧夜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おぼろよ92.7%
ろうや7.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あざのようにあった、うすいさび斑紋はんもんも消えているし、血あぶらにかくれていたにえも、朧夜おぼろよの空のように、ぼうっと美しく現れていた。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
和作は三高時代に読んだ、「朧夜おぼろよや顔に似合はぬ恋もあらん」といふ句をふと思ひ出した。そして歩きながら月の在処を凝つとた。
朧夜 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
ただ銘刀の刃紋はもんのうような朧夜ろうやの雲が空いちめんにわだかまっていて、その雲の明るみから見ても、どこかに月のあるような空ですが、月のありかは分らない晩です。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
刃紋はもん朧夜ろうやの雲に似るみだれ、ほしの青さを吸って散らすかとばかりかがやかしい、鵜首作うくびづくりの鋩子きっさきに特徴のある太刀のすがたは——まず相州系そうしゅうけい新藤しんとう国光くにみつとみてまちがいはない。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)