“最惜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いとし52.2%
いとをし13.0%
いとを13.0%
いとお8.7%
いと4.3%
いとおし4.3%
いとほし4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
中にも慎ましげに、可憐に、床しく、最惜いとしらしく見えたのは、汽車の動くままに、玉の緒の揺るるよ、と思う、かすか元結もとゆいのゆらめきである。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ふまでもく、面影おもかげ姿すがたは、古城こじやう天守てんしゆとりこつた、最惜いとをしつまのまゝ、と豁然くわつぜんとしてさとると同時どうじに、うでにはをのちからこもつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
黒く多き髪の毛を最惜いとをしげもなく引つめて、銀杏返いてうがへしのこはれたるやうに折返し折返し髷形まげなりに畳みこみたるが、大方横に成りて狼藉らうぜきの姿なれども
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
実は、涙をもって、あわれに、最惜いとおしく、その胸を抱いて様子を見るべきはずで。やがてまた、物凄ものすごさ恐しさに、おののき戦き、そのはだを見ねばならんのでした。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「われらかんがへたもとほり……いや、をとこらしく、ようまをされました。さて、いづれもお最惜いとしいが、あゝ、あぶなことかな。」
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
よしそれとても、棄身すてみの私、ただ最惜いとおしさ、可愛さに、気の狂い、心の乱れるにまかせましても、覚悟の上なら私一人、自分の身はいといはしませぬ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
むかへ申しても祝盃さかづきさへも致さぬうち後家ごけなすのが最惜いとほしければ此度の縁はなきものと思し絶念下あきらめくださるやと申して參れと長左衞門が吩咐いひつけに依て態々わざ/\參りましたるがまことにお氣の毒の次第にてといひたるまゝ戸外おもて飛出とびだあと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)