曾能子刀自そのことじ)” の例文
それは伊澤蘭軒らんけんの嗣子榛軒しんけんむすめで、棠軒の妻であつた曾能子刀自そのことじである。刀自は天保六年に生れて大正五年に八十二歳の高齡を保つてゐて、耳もなほさとく、言舌も猶さわやかである。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)