春星しゅんせい)” の例文
俳諧には蕪村または夜半亭の雅名を用うれど、画にはいん春星しゅんせい長庚ちょうこう三菓さんか宰鳥さいちょう碧雲洞へきうんどう紫狐庵しこあん等種々の名異名ありきとぞ。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
山里やまざとおぼろに乗じてそぞろ歩く。観海寺の石段を登りながら仰数あおぎかぞう春星しゅんせい一二三と云う句を得た。余は別に和尚おしょうに逢う用事もない。逢うて雑話をする気もない。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
仰数あおぎかぞう春星しゅんせい一二三の句を得て、石磴せきとうを登りつくしたる時、おぼろにひかる春の海が帯のごとくに見えた。山門を入る。絶句ぜっくまとめる気にならなくなった。即座にやめにする方針を立てる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)