星光ほしあかり)” の例文
ほんのりと星光ほしあかりで人影が見えるで、はてナと思うて斯うすかして見ておると、垣根の外へ廻って来たのが粂之助でおす、するとお嬢さまがこっちゃから声を掛けて粂之助やないかというと
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
星光ほしあかりにすかしてこれを見た時、その時自分は全たく夢ではないかと思っただけで、それを自分が届けいでるとか、横奪よこどりすることが破廉恥の極だとか、そういうことを考えることは出来なかった。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
もとより星光ほしあかりだからくはわからぬが、うしろの方へ振向いて見ても、矢張やつぱり黒い山影が見える。自分は愈々いよ/\弱ツてしまツた、先へ進むでいのか、あとへ引返していのか、それすらわからなくなツて了ツた。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)