易之助やすのすけ)” の例文
太田屋の騷ぎの中で、一番落着いてゐるのは主人の易之助やすのすけでした。四十五六の立派な人柄、體度もさすがに悠揚として居ります。
北見の三五郎の隣りの家といふのは、この土地でたつた一軒の大きな酒屋で、それが地主でもあり、金持でもあり、太田屋易之助やすのすけといふ好い男でした。
主人の易之助やすのすけは、大手を擴げないばかりに子分達の前に立ちふさがるのです。その後ろにはワナワナと顫へて立つてゐる、内儀のお縫と、先妻の娘、お梅。