しかし、旧套墨守きゅうとうぼくしゅのそうしたアカデミックな風潮に対抗して、当時徐々に新気運は動きつつあった。その頃、有島生馬、南薫造の諸氏も欧洲から帰朝したばかりで烈々たる革新の意気に燃えていた。
ヒウザン会とパンの会 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)