日向国ひゅうがのくに)” の例文
旧字:日向國
例えば昔日向国ひゅうがのくにの人は、ようというできものの出来た時に、吐濃峯とののみねという山に向ってこういう言葉を唱えて拝んだそうであります。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
現に今から百余年ぜん、天明年間に日向国ひゅうがのくに山中やまなかで、猟人かりゅうどが獣を捕る為に張って置いた菟道弓うじゆみというものに、人か獣か判らぬような怪物がかかった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
仲平の父は日向国ひゅうがのくに宮崎郡清武村に二たんほどの宅地があって、そこに三棟の家を建てて住んでいる。
安井夫人 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
それからこの間、『耽奇漫録たんきまんろく』から模したのですが、日向国ひゅうがのくに高鍋たかなべの観音の市に売るという鶉車うずらぐるまの玩具や、また筑後柳河で作る雉子車きじぐるま、この種の物は形が古雅で、無器用な処に面白味がある。
日向国ひゅうがのくに東諸県ひがしもろかた郡の本庄や、薩摩国さつまのくに日置ひおき伊作いざくや、肥前国ひぜんのくに北高来きたたかき湯江ゆえ村や、まだ色々の個所がありますが、九州第一の紙の郷土は筑後国ちくごのくに八女やめ郡でありまして、矢部川に沿う村々で盛に漉かれます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)