おし)” の例文
「あれは、ただとおくからながめているものです。けっして、あのはなみずうえちてきたとてべてはなりません。」とおしえました。
赤い魚と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、母親ははおやおしえました。するとみんな一生懸命いっしょうけんめい、グワッ、グワッと真似まねをして、それから、あたりのあおおおきな見廻まわすのでした。
といって、くわしくみちおしえてくれました。ぼうさんはなみだをこぼして、わせておがみながら、ころがるようにしてげていきました。
人馬 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
神さまとか復活ふっかつとか永遠えいえんのいのちとかいうことについて、おしえを聞くために、こんな教会をたてたのだということを思ってみました。
そなたには神様かみさまうかがうこともちゃんとおしえてあるから、大概たいがいこと自分じぶんちかららねばならぬぞ……。』そうわれるのでございます。
それである日、アラジンを仕事場へつれて入って、仕立物をおしえようとしましたが、アラジンは、ばかにして笑っているばかりでした。
あなたが毎日熱心ねっしんにおいのりなさるのを感心して、上手じょうずに人形を使うことをおしえてあげたいと思って、ここにでてまいったのです。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
このとき足あがらざるゆえ、楽戯にあらずと断定す。また曰く、「しからば、汝はものおしえに来たるか。物教えに来たるならばこの足をあげよ」
妖怪玄談 (新字新仮名) / 井上円了(著)
米子の滝のしょうかたりて、ここへ来しみちなる須坂より遠からずとおしえらる。滝の話は、かねても聞きしことなれど、往てんとおもう心切なり。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
余所よその見る目もいと殊勝しゅしょう立働たちはたらきてゐたりしが、ゆえあつて再び身を新橋しんばし教坊きょうぼうに置き藤間某ふじまなにがしと名乗りて児女じじょ歌舞かぶおしゆ。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
事実上じじつじょうこまかい注意ちゅういのこりなくおはつからおしえられたにしても、こんなときかあさんでもきていて、そのひざかれたら、としきりにこいしくおもった。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
わたしはうまれて、おやどもからも、先生せんせいからも、をんなにく臭氣にほひといふことをおしへられたおぼえがない。したがつていまだにらない。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と、まるでおさないどもにでもいうように、おチエにおしえさとしながら、しらみをつぎつぎにとります。諭吉ゆきちも、いそがしくしらみをつぶします。
「いったい、そのおせんの情人いろというのは、何者なにものなんだか、まっつぁん、はっきりあたしにおしえておくれ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
(1)使徒しとというのは、イエス=キリストがおしえをひろめるためにえらんだ十二人の弟子でしのことです。
それに、何かその子に目印めじるしでもあれば、なお手がかりとなって、人からもおしえてくれぬかぎりもない
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
馬鹿野郎ばかやらうよばはりは太吉たきちをかこつけにれへのあてこすり、むかつて父親てゝおや讒訴ざんそをいふ女房にようぼう氣質かたぎれがおしへた、おりきをになら手前てまへ魔王まわう商買人しようばいにんのだましはれてれど
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ジャンセエニュ先生せんせいは、なんでもよくお出来できになるのですが、この小さな生徒せいとたちに計算けいさん仕方しかたをおおしえになります。先生せんせいはローズ・ブノワさんにこうおっしゃいます。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
おれが、そのふえはいいふえだといったら、笛竹ふえたけえている竹藪たけやぶおしえてくれました。そこのたけつくったふえだそうです。それで、おじいさんのおしえてくれた竹藪たけやぶへいってました。
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
おまえの髪としっかり結びあわ喼喼きゅうきゅう如律令にょりつりょうとなえて谷川に流しすてるがよいとの事、憎や老嫗としよりの癖に我をなぶらるゝとはしりながら、貴君あなた御足おんあし止度とめたさ故に良事よいことおしられしようおぼえ馬鹿気ばかげたるまじない
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「それなんなの、小父おじさん。おしえてよ。小父さんが歌ったのなあに?」
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
いやしくも人格を有するものには、経済学のおしえる労銀論ろうぎんろんは決してとうを得たとはいわれぬことが多い。ことに使われる人は、その不当なることを適切に感ずるから、世の中の不満は多くこの点より起こる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
ですから貴方あなたわたくしおしえると場合ばあいいのです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それからS、Hうち所在しよざいなどをおしへて
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
そうだ、これをおとうとせてやろう。そして、りこうなはちが、どうしてつくり、また子供こどもそだてるのに苦心くしんするかをおしえてやろう。
ある夏の日のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
といって、そのあくる日あらためて匡房まさふさのところへ出かけて行って、ていねいにたのんで、いくさ学問がくもんおしえてもらうことにしました。
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「わたしは、人間だったら、大きかろうと小さかろうと、気をつけるようにおしえこまれてきたんでね。」と、隊長は言いました。
指導役しどうやくのおじいさんはそんな御愛想おあいそういながら、おし少女しょうじょみずをすすめ、また御自分ごじぶんでも、さもうまそうに二三ばいんでくださいました。
これがだれだ、あれがだれだ、とつて祖母おばあさんのおしへてれるおはかなかには、戒名かいみやう文字もじあかくしたのがりました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そのお通夜つやには、緒方先生おがたせんせいおしえをうけたものが、たくさんあつまってきました。そのなかに、村田蔵六むらたぞうろく(のちの大村益次郎おおむらますじろう)もいましたので、諭吉ゆきち
そうおしえたものでしたら、みんなは大喜おおよろこびで、おとうさんやおかあさんのところへ、雀躍こおどりしながらけてきました。
伊那丸いなまるせま暗黒あんこくから暁天ぎょうてんへみちびかれて、自分のしんにゆくべき道をおしえられたような心地ここちがした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
甚兵衛はびっくりして、あたりを見まわしましたが、さるはどこかへげてしまってませんし、まごまごするとかたなで切られそうですから、仕方しかたなく人形のあるへやおしえました。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
ものをおしへますとおぼえますのにさぞほねれてせつなうござんせう、からだくるしませるだけだとぞんじてなんにせないできますから、段々だん/″\うごかすはたらきも、ものをいふこともわすれました。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ほかのなきなるを、いもとともむすめとも斷念あきらめて、おしたてられなばうれしきぞと、松野まつのひざゆりうごかしてなみだぐめば、雪三せつざう退しさりてかしらげつゝ、ぶんにあまりしおほせおこたへの言葉ことばもなし
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
海蔵かいぞうさんは、こんなにかかったひとあらそってもしかたがないとおもって、しゃっくりにきくおまじないは、ちゃわんにはしを一ぽんのせておいて、ひといきにみずをのんでしまうことだとおしえてやりました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
「いいかおりがする。あれは、すずらんのはなにおいだよ。」と、おとうさんはほどちかくに、しろいているはなつけておしえられました。
さまざまな生い立ち (新字新仮名) / 小川未明(著)
頼光らいこうむすめなぐさめて、おしえられたとおり行きますと、なるほど大きないかめしいてつもんこうにえて、黒鬼くろおに赤鬼あかおにばんをしていました。
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
最初さいしょわたくしうまるのがいやでございましたが、良人おっとから『女子じょしでもそれくらいことる』とわれ、それからおしえてもらいました。
わるいことはわないから、そこにったらかしときなさい。そいではやほか子達こたちおよぎでもおしえたほうがいいよ。
すると、そのチビさんは、オーラをそのむれのところへつれていって、みんなの名まえをオーラにおしえてやったり、みんなの言っていることを話してやったりしました。
かげで山の中のけものは、みなたすかります。これから、お約束やくそくですから、上手じょうずに人形を使うことを、あなたにおおしえしましょう。ただだまって、私のいうとおりになさらなければいけませんよ
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
翌日よくじつから袖子そでこはおはつおしえられたとおりにして、れいのように学校がっこう出掛でかけようとした。そのとしの三がつそこなったらまた一ねんたねばならないような、大事だいじ受験じゅけん準備じゅんび彼女かのじょっていた。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
父様おとつさんトこの母様おつかさんとがいても身震みぶるひがするやうな、そうママいふひどいめに、くるしい、いたい、くるしい、つらい、惨刻ざんこくなめにつて、さうしてやう/\おわかりになつたのを、すつかりわたしおしへてくだすつたので。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
と、かしらはかしららしく、弟子でしおしえました。そして
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
おしえてください。あわれな子を。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しま人々ひとびとが、どちらに太陽たいようてゆくときは、どの方向ほうこうへゆくということをおしえてくれたので、それをただ一つのたよりとしました。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いいことをいた。ではわたしもさっそく行っておどりをおどりましょう。おじいさん、そのおにところがどこだか、おしえておくんなさい。」
瘤とり (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
また、まれに、おおぜいでやってきて、みんながみちらないばあいなどもありました。そんなとき、少年しょうねんがやはりみちおしえてやると
石をのせた車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おれはこの僧正そうじょうたにむてんぐだ。おまえ剣術けんじゅつはまずくってていられない。今夜こんやからおれがおしえてやろう。」
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)