戲言ざれごと)” の例文
新字:戯言
われは、けふさる戲言ざれごといふことかはといましめつゝも、心の中にその笑顏の涙を掩ふ假面めんなるをおもひて、ひそかに友の情誼に感じぬ。
小綺麗に身づくろひした女中達は忙しく行きつ戻りつして、きびきびした女主人の指圖に從つた。それでも時折は一瞬の暇を捉へては、爐の周圍の人々と戲言ざれごとを交へ、どつと笑つたりもした。
駅伝馬車 (旧字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
戲言ざれごとひてわらふもあり、はなはだしきにいたりては
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
友は我をいて市長ボデスタの許に至りぬ。市長とロオザとは戲言ざれごとまじりに我無情をめ、おとなしきマリアは局外に立ちて主客の爭をまもり居たり。
末文には、例の戲言ざれごと多く物して、まだミラノの少女にとりこにせられずや、三鞭酒シヤンパニエをな忘れそなど云へり。