懊悩転輾おうのうてんてん)” の例文
懊悩転輾おうのうてんてんの日夜を送っている弱い貧しい人の子は、私の素振りの陰に罪の兄貴を発見して、ひそかに安堵あんど、生きることへの自負心を持って呉れるにちがいない、と信じていた。
懶惰の歌留多 (新字新仮名) / 太宰治(著)