慈悲めぐみ)” の例文
町の者母の無情つれなきを憎み残されし子をいや増してあわれがりぬ。かくて母のはかりごとあたりしとみえし。あらず、村々には寺あれど人々の慈悲めぐみには限あり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ここの人の慈悲めぐみ深きは他国にて見ざりしほどなれば、子のために行末よしやと思いはかりけん、次の年の春、母は子を残していずれにか影を隠したり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)