意気軒昂いきけんこう)” の例文
この本店はその昔、意気軒昂いきけんこうで名を成した名人寿司として有名なものであったが、キリンも老いてはの例にもれず、ついに充分の生気せいきは消え去ってしまった。
握り寿司の名人 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
闇太郎は意気軒昂いきけんこう、てっきり、そこに伏せ勢があると認めた、河岸小屋の方へ呼びかけた。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
安達君は乗換の電車を待ちながら、青空せいくうを仰いで、意気軒昂いきけんこうたるものがあった。卒業後半歳はんさいにして、ついに就職戦線を突破したのである。勤め始めてから丁度一週間、仕事の方はまだ無我夢中だ。
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
そういうと、三人は意気軒昂いきけんこうと夜道をいそいだ。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
大石は意気軒昂いきけんこうだった。
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ともかく、苦労を積んだ、頭のよいできた人物といえよう。その気骨稜々きこつりょうりょう意気軒昂いきけんこうたる気構えは、今様いまよう一心太助いっしんたすけといってよい。こちらがヘナチョコでは、おくれをとって寿司はまずいかも知れない。
握り寿司の名人 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)